季節によって着分ける着物術

1月ですね2023年スタートしました。

お正月はどんな着物をきたのでしょうか?

さて今月テーマは『季節によって着分ける着物術』です.

日本という国は四季が有り四季にあった着る種類が変わります。四季によってその季節の柄であり素材や種類も変わります。どの季節にどんなきものを着るのか、どんな小物を合わせればいいのかをご紹介します。

少し前は『嫁入り道具として一通りの着物を準備して嫁に行く』というような時代もあり、タンスの中に何枚か着物が入っている方も多いと思います。タンスの中に着物が入っているけど、着たことない。
という声もあったり…。

それでは残念ですよね!

結婚され、お子様が誕生されると お宮詣り・紐落とし七五三・卒入学…。
通過儀礼などで着物を着るチャンスもありますよね。

日本には四季が有り、昔から暮らしの知恵として季節によって衣類や持ち物を替える習わしがありました。今も6月1日と10月1日に制服などの「衣替え」の習慣がありますね。着物には、この衣替えの風習が色濃く残っており、仕立てや生地を季節によって着分けるのが決まりごととされており、四季を感じさせる装いをして楽しみます。

着分けの基本ルール

着物は季節に応じて、袷(あわせ)、単衣(ひとえ)、薄物(うすもの)を着分けるのが基本のルールです。帯や帯揚げ、帯締め、長襦袢などの小物も季節にあったものを取り入れます。

10月から5月に着る「袷」

袷(あわせ)は春・秋・冬季(10月から5月)に着用できる着物。胴裏、袖裏、裾回という裏地が付き、表地とピッタリ狂いなく仕立てます。
これは仕立屋さんがまるで一枚の布地で縫ってあるかの用に技術のなせる業です。

冬から初春にかけての肌寒い時期は、これに羽織やコート、ショールなどの防寒具を合わせて寒さをしのぎます。
防寒具の中でも、長羽織は人気のアイテムのひとつ。羽織は洋服でいうとジャケットに近い位置づけで、室内でも脱ぐ必要がなく便利です。

襦袢は袷で着る人も居ますが最近では胴抜き、無双袖です。

春は、セレモニーが多い季節。そんな場にでるときには、セレモニーにふさわしいきものを着るのがルールです。そんなときにおすすめなのが、訪問着。改まった席でも着ることができる華やかなきものです。また、柄の入っていない色無地もセレモニーにふさわしい装いになります。礼装用(昔は金銀でしたが)今では吉祥模様が大半です


昔と違い、今は年間通して気温が上がっています。

特に《春》《秋》は暦を信じて、この通りに着用すると暑くてたまらない…ということにもなりかねません。

実際、近年9月も最高気温が30度を超える日々が続いています。
真夏のような気温の中では素材は当然夏と同様なものほうが着ていて楽に過ごせます。

6月と9月に着る「単衣」

単衣(ひとえ)は、表生地は袷とまったく同じで、裏地をすべて除いて仕立てた着物。春から夏、夏から秋へと季節が移る時期に着用します。背縫いの縫い代に付ける〔背伏せ〕と広衿の場合は衿裏、お好みで腰回りを保護する〔居敷当(いしきあて)〕があります。帯や帯揚げ・帯締めなどの小物類は袷と同じものを使用します。通常、最近では背伏せを付けますが着る側からすると背中がゴロつくので着憎い着物になるだけです。補強としての意味は無い。

盛夏(薄物)7月から8月に着る

夏の暑い時期には、糸の密度を粗くして風通しをよくした布地で仕立てられた薄物を着用します。布地は上布(じょうふ)、紗(しゃ)、絽(ろ)などがあり、裏地を付けずに仕立てることで、軽く涼しくなります。先ほど話した背伏せは薄物ですと色の種類が少なく背伏せ無しでも良いと思います。帯、帯揚げ、帯締め、長襦袢などは薄物専用になります。帯ですが「透け感があるものは夏用」「季節を感じさせる柄が入っているもの帯揚げは絽が多くなってます帯締めは緩く組んであります。襦袢は絽で半襟は茶席では絽が正式で普段着は麻涼しくてよいです、最近ではレース半襟などもあり下地の布に塩瀬の生地を付けその上にレースの半襟を付ければオールシーズン使えます。

最近急増中の「胴抜き仕立て」

 

例外として、ご参考までに 「胴抜き」と呼ばれる裾廻りの八掛(はっかけ)だけがついて背中は単衣(ひとえ)の着物もあります。着用すると袷(あわせ)着物に見えます。表生地は袷着物に用いる生地を使うことが多いです。背中と袖が単になっているので『胴抜き』なのでしょうね。温暖化が進み4月・5月・10月でも袷では暑い!というときに活躍します。

色柄も四季を意識して

着物のおしゃれは仕立てのほかに四季折々の柄も意識しましょう。冬にふさわしいのは雪輪や枯山水、そして椿や南天、梅で春を待つ気持ちを表現します。春になれば芽吹きや蝶、桜などで華やかに、夏には藤やあやめ、魚や流水模様などで涼やかに装います。秋には菊や萩、もみじ、月など。その季節にふさわしい色や柄の着物を選ぶのですが、実際の季節より一足早く身に着けるのが粋だとされています。そのため桜が咲き誇る頃に桜柄の着物を着るのは野暮だといわれているのです。

なかには一年中着ることができる柄もあります。例えば抽象的な模様や、吉祥柄などはシーズンを問いません。また花の柄であっても、さまざまな季節の花が同時に描かれているものは、季節を問わず着ることができるとされています。

まとめ

この国日本には四季が有り衣替えや着分けといった季節に応じた着方が発達してきました。その土地や風土の合わせて布が織られ四季の植物を描かれた染物があります。基本ルールを抑えて臨機応変に季節感を意識しながら、ぜひ、気軽にきものを楽しんでください。