暑い日は胴抜き仕立で快適に

ここ数年は地球温暖化が進み4月や10月でも夏日になります。着物の衣替えの決まりでは、袷は10月1日~5月31日までの主に寒い時期に着るものとされてます

でも暑い日は胴抜き仕立てが最も機能的です。

胴抜き仕立てにする理由とは

胴抜き仕立てにする理由には、次のようなものがあります。

〇着物自体の表地が厚い、または硬めの素材であり、強張って着用しづらいと思ったときかと思います。胴裏を付けることで厚ぼったくなってしまうのを避けるために、胴抜き仕立てを行います。

〇胸が大きめの方や、体格が良い方が着物を着用する際、少しでも胴に当たる部分がもたつかないようにするためです。

〇暑がりで、胸元をスッキリさせたいという時にも最適です。

〇袷着物から単衣になる、季節の変わり目に重宝します。

胴抜き仕立てをする理由には、上記のようなものがあります。胴抜き仕立てができる着物の条件は、やはり硬めの素材であるということ。柔らかめの着物の素材での胴抜き仕立てはあまり行わないので覚えておくと良いでしょう。
「袷着物として仕立ててみたものの、なんだか着心地が悪い…」と感じた際には、一度胴抜き仕立てを行ってみるのも良いのではないでしょうか。
但し、体が細身の方や寒がりの方には胴抜き仕立ては不向きかと思います。

着物は袷を着るシーズンが一番長いわけですけれども、東京では真冬以外はそんなに寒くもありません。特に今は寒い時でも暖房が効いていることが多いですから、暑さ対策のために、袷より単衣に手が伸びることも多いです。

大島やお召などは単衣にしてしまうことが多いのですが、ちょっと困るのが私が大好きな結城紬など真綿系のほっこりしたもの。単衣にすると裾捌きが悪くなってしまうのです。

ですから結城紬などは袷にするのがベストなのですが、少しでも涼しく着たいので最近は『胴抜き仕立て』にすることが増えました。

胴抜き仕立てとは、その名の通り袷仕立てから、胴=上半身の裏地を抜いて仕立てたもの。八掛がついていますから、足捌きはよいし上半身の裏地がないのでその分涼しく着られてとても重宝するんですよ。

胴抜きのよいところは、上半身の暑さが軽減されること、少し胸元がすっきり見えることでしょうか。

胴抜き仕立てに向いているのは、紬やお召など生地がしっかりしたもの。

柔らか物などは裏地がついているところとついていないところの差が出がちなので、あまり向いていません。袷にしたほうが落ち感もよくなりますので袷仕立てのほうがおすすめです。

胴抜き仕立ての着物を着る時期とは

胴抜き仕立ての着物を着る時期は、袷の着物と同様、10月~5月いっぱいです。
ただ最近では、暖房で暑い、胸元をすっきり見せて着用したいという理由から冬の時期においても胴抜き仕立ての着物を着用する人が増えているようです。

胴抜き仕立ての種類

こちら八掛のみ付けるパターン

おもてから見て袷のにしか見えません暑がりさんには快適です。

こちらは揚げまで胴裏をつけるパターンです

胴抜きは特殊な仕立て方ですが、このような仕立て方があるということを覚えておくと、いつか必要になった際にも対応しやすいでしょう。