本場大島紬の縫い方

こんにちは!

今日は大島紬の縫い方と何故大島紬は工賃高いのか?これを解説したいと思います。

着物ファンの方で大島紬の工賃って高いんだっけ?なんて思っている方が居ると思いますが大抵の呉服屋さんでは仕立て上がり○○○○円という形で売られているので仕立て屋さんの工賃は表に出なく分かりにくいと思いますが実際には附下位の値段を貰ってます。当サイトで長着が税抜き40,000で設定させて貰っておりますが、大島紬の工賃は45,000税抜きです。この5,000の差を大島紬の織と染めも解説しながら大島紬の仕立は何故高いのかを説明をしたいと思います。

大島紬の織や染めや歴史の情報なんてググれば沢山あると思いますますが独自で調べて見ました、もしかすると間違っている事を書いてるかも知れませんがその点はご了承ください。 😥 

大きく分けて4つに分けて見ました

1.大島紬について

2.大島紬の糸

3.大島紬裁断の方法

4.大島紬縫い方

こんな感じです。

1.大島紬について

大島紬は特殊な『染』複雑な『織』が特徴です。絣が主体で大島紬と言えば高級紬のイメージで独特の染は、しなやかな感覚を持ちながら、驚くほど実用に耐え、その織は光沢と細かい織で不思議な魅力をかんじさせる。

絹で織る縦横絣は世界でも類が無い絶品で南の孤島で完成物です。

奄美群島は台風多いため度々飢餓に見舞われてきた

なでちの山のぼりて(桑の山に登って)

なでちむて くらそ (桑の実食べよ)

いそび山 のぼて  (野イチゴの山に 登り)

そびむて くらそ  (野イチゴ食べよ)

これは奄美に伝わる、遠い昔の歌だそうです

この島は田畑に恵まれず度々飢餓に襲われたがその時に桑の葉や野イチゴの実を食べて、それらを食べつくして野山に何も食べ物がなくなり多くの人々が桑の木に首をくくって亡くなったという悲しいお話です。

南の諸島は桑の繁殖に最適な気候であり島のどこにでも桑の木が生い茂っていて温暖な気候は、年に三回も四回も蚕が飼えたのである。この島で精巧な紬が織れる用になったのは、織物が発達し始めは無地が織られやがて絣になったのは相当後のようです。初めのころは蚕から真綿は玉糸になりやがて現在の生糸に変わっているが現在まで一貫して原糸が純絹であることが特長です。

薩摩藩から転勤して島役人が大島紬を着用して次第に本土に伝わった。

紬織の技術は久米島渡来説が有力のようです、久米島、大親(ひや)とに養蚕織物を習って帰り島に伝えたとある

その頃の久米島紬はまだ未熟なもので島津公が琉球を支配した藩長やく(1609)直後琉球王が家康に献上した中にも芭蕉布はありながら紬は入っていなかった。久米島紬は坂本宗味(1619)によって製法が格段に上がり奄美への渡来もその後で三代目将軍家光から五代目将軍綱吉の時代だそうです。

絣はインドからの移民によってスンダ列島広く伝えられ中々精巧で現在の大島紬に匹敵するほどである。イカットのカスリの結びにはバナナ繊維を使い染色はミカンなどの食物染料と泥染めである。これが奄美では昔カスリ結びに芭蕉を使い染料はイカット同じミカンや泥染めであるインドから発達した絣が黒潮に乗ってスンダ列島を北上し染と織に恵まれた奄美大島にたどり着き極限にまで美しく開花した。シルクロードならぬ黒潮に流れて伝わったイカットロードである。

【泥染め】

テーチ木は細かく割り小片を大釜で10時間から12時間煮て染汁を作る、煮汁を小分けにし絹糸を浸し、強くもみ込んで絞るこれを20回繰り返すそうだ、これらを更に3回繰り返す全部で60回になる。それを泥田に持って行っていって泥でもみこむ.テーチ木と泥のもみこみは、交互に四度から六度するその都度乾燥しては更にもみこんであの黒色の美しい色合いが生まれのですから大変な作業です。テーチ木と泥田で染めるのはテーチ木の煮汁のタンニン酸と天然色素そして泥田の中に含まれる水素化鉄との化合により紬の糸は細かく柔らかくこなされて驚くほど堅牢さをくわえるのです。テーチ木は、海沿いの潮風吹きさらされた木ほどタンニンと色素をたくさん含んでいる山のテーチ木はそれが少ないそこを知らないと濃度が変わってくるこうしたこででも、染の過程で人知れぬ苦労がある。

【絣を結ぶ】

島の男たちが染めた糸は、織の段階で女の手に戻ってくる。大島絣の織の特徴は、タテ、ヨコ、の糸が必ず地糸を割りさんでいる。正確には経糸を割り込み、横糸の打ち込みといい、そのタテ、ヨコのキッチリ合った制度が特色である。

明治の末頃から、紬の需要が増えてきたが、当時は一反か二反分そろえた上で、絣の大小を決め十字絣であれば横一列に五十か七十と絣を細くし亀甲型であれば、その大小によって糸の結び方を尺度で計り、そこに墨を付けたその用意が済めば近所の友達を呼び島唄を歌いながら絣を結んだ。それをテーチ木と泥で染、乾かして機に上げる。七~八㎝ほど織と縦糸がゆるめ、タテの絣糸一本一本針先で調整して絣の目を合わせる。目の細かい絣は、精密機械を作り出す緻密な作業に似て、これを合わせるには随分手間をどり、1日ようやく五十~八十㎝ほど、こみいった物は三十~四十㎝ほどしか織れないそうだ、実際鹿児島に和裁士会青年の集いでまじか見た事があるが真似できない実に細かい作業である。

【自然を映した柄】

紬の柄は図案士によって作られる。下絵は精密な作業で、一枚の下絵に四日~十日は、は掛かる。大島紬の柄は、草花や幾何模様が多くこの独特の、複雑な柄を奄美の人達の何から学んだのか。島の人達は奄美に生息する毒蛇のハブや、島近海にいる貝によったという。大島紬は奄美の生活に左右して来た。明治三五年に五千反四〇年二万五千反大正七~八年好況時代二十八万反になる。ここまでは大島紬の説明と歴史を振り返ってみました。これは日本の民族衣装の大島紬という反物の種類の一部です。ご存知かと思いますが大島紬は世界三大織物に数えるられています。

【大島紬の糸】

ここからは一部一章の内容と重複して居るところもあるかと思いますのでご了承ください大島紬を仕立前に大島紬の糸を十分に理解する事が最も綺麗に仕立られるコツだと思います。仕立てる前に検反をして時のしをするかと思います。最近では生地を充分に縮ませる為にスチームアイロンで地のし(地詰め)をすると良く分かりますが方が。その時大島紬は縮まらない事に気が付くと思います。反対に伸びにく事にも解りますこのことから、一部の和裁士さんの中では、まるで大島紬は意思を持つかの方も居ます。これは大島紬の糸に何らかの理由有ると思います。そこで実際に本場奄美大島紬協同組合様に大島紬はなぜ縮みもしない伸びもしないのでしょうか?工程に秘密がかるのでしょうか?と質問をメールでしてみました。その解答こちらでした。

柊和裁所 店主 柊光弘 様

 

昨日は、大島紬についてお問い合わせ頂き、ありがとうございました。

 

ご質問の内容につきまして検査担当者に確認しましたところ、

大島紬は機織りをしてから染色する“後染め”ではなく、

絹糸を染色してから織りあげる“先染め”という技法が使われております。

 

その為織りあげた後に、縮みや伸びが発生してしまうと

最初の図案と柄が合わなくなってしまいます。

 

そのことを防ぐため、染色をする前に

◎「糸繰り(いとくり)・整経(せいけい)」…図案に基づいて専用の台で必要な長さと本数の絹糸を揃えます。

                  糸はこの段階でそろえた順番通りに織り機にかけられます。

 

◎「糊張り」…イギスと呼ばれる海藻を鍋で煮て溶いた糊を棹に張り、

       絹糸に均等につけて天日で十分に乾燥させ、糸と一緒に固めます。

 

この作業を最低でも15日以上、基本的には1~2カ月かけて行います。

この時点で絹糸を十分に休ませ、絹糸の伸びや縮みといった“遊び”が無くなった状態にします。

 

その後、防染(部分的に染まらないようにする加工←これにより絣の柄が作られます。)のために

「締加工」と呼ばれる作業を行います。

図案に合わせて絹糸を木綿糸で織り締めて、絣(かすり)筵(むしろ)と呼ばれる布状のものを作ります。

この作業の為、大島紬は“二度織る”と言われています。

 

そこから、何十回とテーチ木(車輪梅)や泥で染められます。

この工程により、大島紬は伸びや縮みが無く一生ものと多くの方々に言われ、

今日まで親しまれていると思われます。

以上、何かご不明な点がありましたらご連絡下さい。
よろしくお願いいたします

本場奄美大島紬協同組合様丁重なご回答ありがとうございます。
本当に深い紬だということが改めてわかりました。
 
【大島紬 裁断方法】
 
裁断は地の目(横糸)通りに切っては行けません、先ほどの大島紬の糸で紹介したように大島紬は詰まりません、地に目通りに切って見頃分4枚重ねて平らに据えると座らない子がいます、ですので前身頃後身頃2まいにして肩を決めて据えて見ます
図のようにおきます。
次の図は極端ですが、断ち切り湾曲になったり曲がってたりしていれば半蔀半蔀物差しなどで線を引いて地の目無視して切る、
                                                      又は
この様にすれば後々裏を合わせたとき釣り合いが楽になり大島の布が変につっぱたりしません出来上がりも美しいです。
【印付け】
 大島紬と縮緬との裏の緩み分の比較してみました
 
大島紬の場合
+3㎜
 +1.5㎜
身頃  9㎜
9㎜ 
   表と同寸

 

 

 縮緬の場合

+5㎜
 +3㎜
身頃  裏 + 10㎜
裏   +10㎜
+1.5㎜ 

 

 

 先ずは袖ですが縮緬などは表が縮まるのである大島紬よりも2㎜多くします。

身頃は縮緬などより1.5㎜多くくしています。
衽も同じで縮緬などより1.5㎜多くくしています。
これを見ると大島のの性質活かして全体的に裏が緩くして有る事が分かります。
最近では八掛柔らかい一越の物が多いので(一越は詰まり易い)特に緩み多い方がいいです。
裏で表を突っ張らせない様に裏は緩めに印をする事が大事なのです。
 
【縫製】
 とにかく真っ直ぐ縫う事が大事なのですが縫うという事は見て縫う布と向こう側の布(見て縫わない方)両方真っ直ぐ縫ってないと曲がってしまうと凄く目立ちますし袋の用になります。例えば亀甲柄で背縫いを縫うちしたら見て縫わない方、柄が出たり入ったりしないようにする。縮緬などでは多少曲がっても生地同士がなじみますが大島紬は先に説明した通り伸びたりしないので生地性質を考えながら縫うようにしております。縦綴じは印付けのところで説明したように裏はどこも緩く閉じます。何度も説明致しますが裏は突っ張らせないのように裏は緩くです。
 
【まとめ】
この国の古くからある染織物で最も有名な大島紬の解説をしてみました。
大島紬は非常に特殊な染織物だとわたしは思います。
何度もtry&errorを繰り返しその性質を理解して仕立てるものだと思います。
その性質を知るにはどの様に織られてどの様に染められているのかを本当だと現場に行って見るのが大事だと思います。
どんな職人がどの様な想いで織ったり染めたりしているのか
その生地を造った職人さんたちの想いを受け継ぎ私たち和裁士が一針に思いを込め

絹糸が織られ、反物へと姿を変え
その反物に魂を縫い込むことで
反物は初めて生ある「着物」へと昇華するのです。

そのお手伝いをするのが、我々の仕事であり、
その先にお客様の笑顔があると信じております。

想いを形に変える

柊和裁所

 

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