着物保管方法とお手入れ

入学式、卒園式、成人式、七五三などで着物や振袖を久しぶりに着たのはよいけれど、しまい方がわからず困った経験がある人も多いと思います。1度しか着ていないからとお手入れをせずにしまったり、間違った方法で保管をすると大切な着物にカビや虫食いが発生したり、型崩れをしてしまう可能性が。着物の魅力に惹かれながらも、その保管方法に頭を悩ませている方は少なくありません。クローゼットの衣替えや収納スペースの確保に困っている方も多いのではないでしょうか。

しまう前のお手入れ

着物をいつまでも美しく保つためには、しまう前のお手入れが大切。湿気を取り除き、汚れを落としてからしまうことが基本です。収納する前に、ぜひ行ってほしいお手入れ方法を紹介します。

陰干しで汗・湿気を取り除く

着物は吸水性や吸湿性の高い親水性繊維でできているため、汗や湿気の影響で縮んでしまう恐れがあります。そのため、しっかり陰干しして湿気を取り除くことが大切です。
着用後は着物用のハンガーにかけ、室内で一晩陰干します。直射日光だけでなく、蛍光灯の明かりでも生地を傷める場合があるので、カーテンを閉め、電気を消した状態で陰干ししましょう

画像は生地が縮むんだ画像です

着物乾かし方(風を通す)

着物を脱いですぐにしまうと、臭いやカビが発生したり、シミになったりします。大切にお手入れをして保管すれば、生地も傷まず、長持ちをします。

着物
ハンガー又は着物用ハンガー(衣桁:イコウ)にかけ、風通しのよい日陰に2~3時間置き、体温や湿気をとります。
その後、乾いたタオルで袖口・裾をたたいてほこりを払います。この時に汚れの点検を・・・汚れを発見したら、購入した店又は正直屋各店に早めにご相談ください。

長襦袢・帯・帯締め・帯揚げ
着物と同様に風を通し、湿気をとります。また「草履」は玄関などに一晩立てかけて湿気をとってください。

脇、背中、お腹廻りの汗ジミは着用日が暑かった場合、特に注意です。

着物乾かし方(雨の日着用した場合)

雨の日に着物を着て困ったことはありませんか?
着物は撥水加工がしてあれば水気ははじけて問題はありませんが、
湿気が残る様ならドライヤーをあて軽く乾かします。
特に、裾まわりや袖に湿気が残り易いのでしっかり乾かしましょう。
扇風機の風を利用するのも良いでしょう。

カビや虫食いを防ぐ保管方法

着物はできるだけ湿気が少ない場所に保管します。たんすにしまう場合は、湿気がたまりにくい上段にしまいましょう。また、型崩れ防止のため、襟と裾の部分が互い違いになるよう交互に重ね、無理に詰め込まないようにしてください。

収納場所は、通気性のよい桐たんすに保管するのが理想ですが、プラスチック製の収納ケースなどにしまう場合は、除湿剤(B型シリカゲル)を入れるとより安心して保管できます。長期間着る予定がなければ、専用の保存パックの利用もおすすめです。

長期収納の場合、虫食いを防ぐための防虫剤も忘れずに。防虫剤は商品によって使用量や使用方法が異なるので、よく確認してお使いください。また、防虫剤の種類によっては複数の防虫剤を同時に使用するとシミや変色の原因になるので注意しましょう。詳しくは下の図をチェックしてください。

防虫剤の種類

「しょうのう」「ナフタリン」「パラジクロルベンゼン」などのニオイがつくタイプの防虫剤を同時に使用すると薬剤が溶けてシミや変色を起こすことがあるので併用は避けましょう。一方、ニオイがつかないピレスロイド系の防虫剤は、どの薬剤と組み合わせて使用しても問題ありません。使用する前に薬剤の種類を確認しましょう。

虫干しのタイミング

保管した着物は年に数回取り出して、虫干しを行うのがおすすめです。「しまう前のお手入れ」で紹介した方法で、屋内で2~4時間程度陰干しを行い、たまった湿気をとばしましょう。
時期は、7月下旬~8月上旬の「土用干し」、9月下旬~10月中旬の「虫干し」、1月下旬~2月上旬の「寒干し」の年3回行うことが望ましいと言われていますが、難しい場合は年に1回でもOK。いずれも、晴天が続き乾燥した日に行ってください。虫干しに限らず、たんすの引き出しや衣裳箱を開けるだけでも湿気を取り除く効果があります。防虫剤や除湿剤の有効期限もチェックし、使用期限を過ぎている場合はしっかり入れ替えをしましょう。

着物のしみ抜き自己流では危ない専門家に依頼しましょう

ドライクリーニングでは食べこぼし・黄変・ワイン・コーヒー・醤油・ボールペン・口紅・・・などのシミは落ちません。
また、自分でシミヌキを行うと染料や顔料の色落ちや金彩が痛んだり、摩擦による着物の毛羽立ちやヘタリ(着物へのダメージ)がおこったりします。
シミはなるべく早く専門家へ相談し、その時に付いたシミの正体を出来る限り正確に伝えることが大切です。

しばらく着ない着物の保管に柊和裁へ

どんな着物を預ける?

スタンダードプランのアパレルボックスで、たとう紙に入れた状態で普段着の着物6枚、兵児帯1枚、羽織4枚を預けました。シーズン外のモノなので、家では使わない場所に置いていたんです。

シーズン外の着物や小物をまとめて預けた

— 預ける前にクリーニングに出しましたか?

生き洗いしみ抜きも当店でお任せくださいドライクリーニングでは食べこぼし・黄変・ワイン・コーヒー・醤油・ボールペン・口紅・・・などのシミは落ちません。

専門の染色補正士にその時に付いたシミの正体を出来る限り正確に伝えることが大切です。

着物の保管と悉皆は当店にお任せください

 

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